12.年収1千万円を実現した後に
開けてくる未来

3町歩栽培、3年で1千万円の所得は、ファーストステップである。これだけあれば十分という人もいると思う。もっと上を目標にしたいという人も出てくると思う。農業経営者育成塾を開講した目的は年収1千万円を実現させてあげることではない。生活ができなければ仕事の継続はできない。そのために1千万円の所得をファーストタッチにしたのである。育成塾本来の目的は、農業界のリーダーを育てることである。
日本の食糧自給率は38%、高齢化、過疎化の進行も早い。さらに需給が低下することは目に見えている。一体誰が食糧を作るのか。世界的な土壌荒廃も急速に進んでいる。フードショックはもう避けることができない。大きい波か、小さい波かは別にして、必ずやってくる。農薬や化学肥料で作物を作れない時代は目前である。なぜなら世界的な農地荒廃の原因が化学物質だからである。
すでに持続可能ではないのである。環境問題に関する多くの科学者は警鐘を乱打している。そうなるかもしれない、はもう過ぎている。このままいくと、確実に大規模な環境破壊は現実になり、大パニックが2050年までに発生するとしている。食べる物がなくなるのだ。食糧輸入もできなくなる。輸出をストップしているからである。中国はすでに食糧の輸出大国から輸入大国に変身してしまった。自国民を食べさせるだけで精一杯なのである。食糧がなくなるかもしれないという危機意識は日本人は希薄である。まだ世界のグルメ日本である。
農業と他産業との大きな違いは何か。食糧は簡単に増産できない。生産者は簡単に育成できない。他産業のように、機械を導入すれば増産というわけにはいかないのである。20~30年なら早い方で、40~50年は覚悟しなくてはいけない。農業界に優秀な人材は驚くほど少ない。あまり言いたくないが、何もできないから農業と言っても過言ではない。優秀な人材がなくてはイノベーションなどできるわけもない。優秀な人材を集めるために必要なのが、何をおいても収入である。高額な収入を見込むことができれば、人材は自然に集まる。そのために農業経営者育成塾を開校したのである。